大阪・関西万博の入場券購入費用の税務処理:企業担当者が知っておくべきポイント

2025年4月13日から10月13日まで、大阪市の夢洲で開催される大阪・関西万博。企業がSDGsへの貢献や社会貢献をアピールする手段として、入場券の購入を検討するケースも増えています。しかし、入場券の購入費用は税務上どのように扱われるのでしょうか?法人税と消費税の処理について、企業担当者が知っておくべきポイントをまとめました。

法人税の処理:費用計上の区分と損金算入のタイミング

法人税の処理では、入場券の購入費用をどのような費用として計上できるのか、また、いつの時点で損金として算入できるのかが重要なポイントとなります。

1. 費用計上の区分

入場券の購入目的によって、計上できる費用が異なります。

  • 販売促進費・広告宣伝費
    取引先等への交付を通じて、企業イメージの向上や販売促進、広告宣伝を意図する場合に該当します。国際博覧会は、その性格上、企業のイメージアップに繋がる特別なイベントと考えられるため、このような処理が認められます。

  • 福利厚生費
    従業員の慰安やレクリエーションを目的として入場券を交付する場合に該当します。ただし、福利厚生費として計上するには、以下の要件を満たす必要があります。
    • 原則として全従業員が対象であること
    • 従業員またはその家族が使用すること(転売・譲渡の禁止)
    • 交付を希望しない従業員に対し、入場券の代わりに金銭の支給をしないこと

2. 損金算入のタイミング

損金算入の時期は、計上する費用によって異なります。

  • 販売促進費
    取引先へ入場券を交付した時点で損金算入が可能です。大阪・関西万博の開幕前であっても、交付時点で損金として処理できます。

  • 福利厚生費
    原則として、従業員が入場券を使用した時点で損金算入します。ただし、例外として、従業員に交付した時点で損金算入することも可能です。  
    ただし、交付した時点で損金算入とする場合、消費税の課税仕入れの時期とズレが生じる可能性があるため、従業員が入場券を使用した時期に損金算入とする方法を推奨します。

消費税の処理:課税仕入れのタイミングとインボイスの取り扱い

消費税の処理では、入場券の購入が課税仕入れに該当するかどうか、また、仕入税額控除の適用を受けるためのインボイスの取り扱いが重要となります。

1. 課税仕入れのタイミング

入場券は消費税法上「物品切手等」に該当するため、購入時点では課税仕入れとして処理できません。実際に物品または役務の提供を受けた者が、その提供を受けた際に課税の対象となります。

  • 販売促進費
    取引先へ交付する目的で入場券を購入した場合には、課税仕入れには該当しません。
  • 福利厚生費
    購入時や従業員等への交付時ではなく、実際に従業員等が使用した時に課税仕入れを計上し、仕入税額控除の適用を受けることとなります。そのため、購入に関するインボイスの保存と従業員等の使用状況の管理が必要となります。

2. 仕入税額控除の適用を受けるためのインボイスの取り扱い

仕入税額控除の適用を受けるには、インボイスの保存が必要です。入場券の種類によって、必要な対応が異なります。

  • 紙チケット
    旅行代理店等から交付を受けたインボイス(簡易インボイス)を保存します。
  • チケット引換券(来場日時指定あり/なし)
    以下のいずれかの方法で対応します。
    ①入場券等回収特例の適用
    チケット引換券を会場のゲート前チケット引換所でQRコード付きチケットに引き換えた場合、チケット引換券が回収されるため、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。

    ②チケット引換券の保存
    チケット引換券をスマートフォン等でチケットIDに引き換えて電子チケットを受け取った場合は、その引換券を保存します。コンビニエンスストアが発券したチケット引換券の場合には、ホームページに掲載された記載事項と併せて保存する必要があります。

    ③媒介者交付特例により発行されたインボイス(簡易インボイス)を保存
    販売元である旅行代理店等が媒介者交付特例を適用している場合、旅行代理店等の名称でインボイス(簡易インボイス)が交付されるので、それを保存します。

まとめ

大阪・関西万博の入場券購入費用の税務処理は、法人税と消費税でそれぞれ異なるルールが適用されます。適切な会計処理を行うために、この記事を参考に、購入の目的やチケットの種類に応じた処理方法を確認しておきましょう。

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