同族会社の債務免除とみなし贈与

会社にお金を貸している社長が亡くなった場合、その貸付金は相続財産に含まれ、相続税の課税対象となります。

相続税を計算する際、貸付金は原則として額面で評価することになりますので、多額の貸付金を有している場合には、生前に対策が必要です。

その対策の一つして考えられるのが「債権放棄」です。

社長が貸付金を債権放棄すると、貸付金は消滅しますので相続財産は減少します。

ただし、ここで注意しないといけないのが、
① 債務免除を受けた法人側では「債務免除益」が計上される
② 「みなし贈与」が発生するケースがある
という点です。

①については、法人側に債務免除益を吸収できるだけの繰越欠損金があれば、法人税の負担は生じません。

②については、社長本人が会社の株式を100%保有している場合には問題は生じません。
問題となるのは、「同族会社で社長以外の株主がいる場合」かつ「債務免除により株価が上昇する場合」の両方を満たすケースです。

債務免除を受けるとその会社の負債が減少し、純資産が増加します。それでもまだ債務超過である場合には問題となりませんが、純資産がプラスに転じるような場合には、相続税基本通達9-2の規定により、債権放棄をした社長からその他の株主に株価の増加分相当の贈与があったものとみなされ、贈与税が課税されてしまいます。

相続対策で役員借入金を債権放棄する際には、「債務免除を受ける法人側での課税関係」及び「株主側での課税関係」を考慮する必要がありますので、実行する前に税理士等の専門家にご相談されることをお勧めします。

児童手当拡充と扶養控除の見直し

6月13日に閣議決定された「こども未来戦略方針」の大きな柱の一つが児童手当の拡充です。

〇児童手当の拡充(2024年10月分から)
 ・高校卒業まで対象拡大
 ・所得制限撤廃
 ・第3子以降の増額

この児童手当の拡充と関連して話題となっているのが扶養控除の見直しです。

扶養控除の見直しに関しては、民主党政権下でのこども手当(現在の児童手当)創設と関連して、年少扶養親族(0~15歳)に対する扶養控除が廃止された経緯があります。また、高校の実質無償化に伴い16~18歳までの特定扶養控除の上乗せ部分も廃止されました。

児童手当が拡充されても、扶養控除が廃止されることにより、一部の子育て世帯には税負担増や手取りの減少が生じるケースもあります。今回も過去と同様に、扶養控除が廃止・減額されるのか、今後の成り行きを注視したいと思います。

国税庁、インボイス発行事業者の登録通知時期の目安を公表

国税庁は令和5年6月13日、インボイス発行事業者の登録通知時期の目安を公表しました。

インボイス制度の開始が近づくにつれて、インボイス発行事業者の登録申請が増加したことで、登録にかかる処理期間が延びています。現在では、e-Tax提出では約1か月半、書面提出では約3か月かかる状況になっています。

具体的に言えば、6月1日から6月15日までに登録申請をした場合、登録通知を受ける時期の目安は、e-Tax提出では7月上旬、書面提出では9月上旬になる見込みです。したがって、登録申請をする際には、e-Tax提出を検討することをおすすめします。

・現在、免税事業者だけど、登録申請をした方がいいの?

・インボイス対応ができていないのでアドバイスして欲しい

このようなお悩みがある方は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

消費税は得意分野です!

お悩みが解決できるようにしっかりサポートさせていただきます!

PAGE TOP