ふるさと納税の返礼について、一時所得として申告が必要なる場合があることは前回お話ししました。今回は、①どのタイミングで(収入の計上時期)、②いくらを認識するか(収入金額の計算方法)についてご説明したいと思います。
①収入の計上時期
例えば、12月末ギリギリに寄附をして、翌年1月に返礼品を受け取った場合、この受け取った返礼品はいつの収入として申告すれば良いのでしょうか?
ふるさと納税をした年分の収入とするのか、それとも、返礼品を受け取った年分の収入とするのか。
その答えは、所得税基本通達36-13が参考になります。
所得税基本通達36-13 一時所得の総収入金額の収入すべき時期
一時所得の総収入金額の収入すべき時期は、その支払を受けた日によるものとする。ただし、その支払を受けるべき金額がその日前に支払者から通知されているものについては、当該通知を受けた日により、令第183条第2項《生命保険契約等に基づく一時金に係る一時所得の金額の計算》に規定する生命保険契約等に基づく一時金又は令第184条第4項《損害保険契約等に基づく満期返戻金等》に規定する損害保険契約等に基づく満期返戻金等のようなものについては、その支払を受けるべき事実が生じた日による。(平11課所4-1改正)
原則は「返礼品を受け取った日」に収入計上することとなりますが、事前に寄付先から支払いの通知がされている場合には「通知を受けた日」に収入計上することとなります。
つまり、発送の通知がなく返礼品が届いたのであればその届いた日、発送の通知がある場合にはその通知があった日に、一時所得を認識することになります。年末ギリギリに寄附をしたような場合には注意しましょう。
②収入金額の計算方法
次に、収入金額の計算方法ですが、返礼品の実際の市場価額(時価)を一時所得の収入金額として認識することになります。
時価を調べる方法としては、以下の方法があります。
・直接自治体に問い合わせ、返礼品の価格を聞く
・商品サイトに返礼品の情報や価格が記載されていないか調べる
ただし、現実問題として、上記の方法ですべての返礼品の価格を調べるのは困難を伴います。特に、後者の場合には、自分が受け取った返礼品と同じ品物だったとしても、サイトによって寄付金額や量が異なることもありますので、価格の算定を誤ってしまう危険もあります。
そのため、寄付金額の30%を返礼品の価格として計算する方法も用いられています。
返礼品の原価は寄付金額の3割以内にとどめるよう総務省から通達が出ているため、簡便的にこの計算方法によることも問題ないとされているためです。
ふるさと納税の返礼品について申告漏れを指摘される事案も多数見受けられますので、高額な寄附をした方や他に一時所得があった方などはお気を付けください。